女性収入向上事業

女性収入向上事業とは

ごみ拾いに代わる収入源をみつけ、生活を少しでも安定・向上させたいと願う女性を対象に、クロスステッチ製品の製作、販売を通して、収入の機会を創る活動です。生産者が安全な仕事で安定した収入を得ることはもちろん、生産活動やグループでの運営を通じて、様々な能力や自信を身につけていくことを目的としています。

活動は2000年に始まり、今はLikha(リカ)というグループができ、現地の女性達がいきいきと働ける職場になっています。

刺繍の仕事のはじまり

2000年7月10日、パヤタス地区のゴミ山の崩落事故によって、子どもから大人まで数百名の人が生き埋めになる大惨事が起こりました。ごみ山のすぐ傍に住み、山でリサイクル資源を拾い集め、少ない現金収入を得ていた人たちは、この事故によって家族を失い、家を飲み込まれ、収入源も失いました。

外からの緊急支援はすぐに止まりました。ごみ拾いで収入を得ていた人は閉鎖によって仕事がなくなり、支援もなくなって、目に見えて追い詰められていきました。食べるものがなくなり、生まれたばかりの子どもにアモと呼ばれる米のとぎ汁を温めたものだけを飲ませ、やがてはそれすらあげられなくなった母親もいました。

小さな子どもをもつ女性でも、子どもの面倒を見ながらできる仕事、すぐ現金収入になる仕事を探していたとき、クロスステッチという案が出されました。クロスステッチという刺繍の技法は、マニラで既に普及しており、初めての人でも技術を身につけやすく比較的早く製品を作れるようになること、元手がかからず、針と糸があればいつでもどこでもできるという利点がありました。現地の女性の中から希望者も募り、現地でクロスステッチのトレーニングが始まりました。

生産者の声

「辛いことはたくさんあるけど、笑ってないとね。自分が笑ってないと、子どもたちも笑えないでしょ。」

今日も、子ども達の未来を思いながら、手にとって下さる人の笑顔を思いながら、笑顔で、一針一針、ちくちくちくちく縫っています。

ロレッタさん(リーダー)

ロレッタさんは、家が貧しく、中学の学費が払えず中退していました。そのことがずっと心残りだったようです。中学ではパソコンの授業があります。「復学して、パソコンを使えるようになって仕事に就きたい」それが彼女の夢でした。刺繍のグループに入り、刺繍の仕事で得た収入を少しずつ貯め、復学し、働きながら、勉強や家事、育児をこなし、パソコンを学び、卒業証書を手にしました。現在ロレッタさんは生産者のリーダーとして頑張ってくれています。

お母さんたちの夢

2010年、お母さんたちは刺繍グループの名前をLikha(リカ)と名付けました。創り出す、生み出すという意味の現地の言葉です。彼女たち全員の夢は、「自分の収入で、子どもたちを大学に行かせること」です。Likhaの女性たちは小学校、中学校中退がほとんど。子どもたちには学ぶ機会を創ってあげたいと願っています。

そして、新たな目標もできました。新たな目標は、自分たちが働く機会を得たように、他の女性たちにもそのチャンスを提供すること、そして、地域に住む学校に行くことのできない子どもたちを支援することです。「利益が出たら、その利益の3分の1を子どもたちの教育支援に充てよう」Likhaの女性たちが作ったルールです。

日本とのつながり

Likhaが生まれた背景には、たくさんの日本の女性たちの支援があります。開始当時から駐在員の主婦たちが中心となって、代々バトンをつなぐように、商品開発や販売のサポートを行ってきました。

多くのボランティアの人たち、歴代のインターン、そしてスタディツアーで現地を訪れLikhaの刺繍を少しずつ広げてくださった方たちとの絆が、今のLikhaの女性たちの笑顔の源になっています。彼女たちとつながり、そのチャレンジをぜひ見守って下さい。

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