パヤタス地域について

メトロマニラ首都ケソン市北東部に位置するパヤタス。
私たちはこの地で1995年から活動をしています。
既に閉鎖はされていますが、パヤタスは巨大なゴミ処分場があることで有名です。

パヤタスの歴史について

立ち退き対象者の再定住地として指定

パヤタスは元々小規模な農家の人たちが暮らす小さなコミュニティーだったと言われています。
しかし1988年に当時のケソン市市長であったシモン氏がパヤタスのルパンパガコ(ゴミ投機場周辺地域)を立ち退き対象者の再定住地に指定して、ケソン市3か所のスラム街から多くの住民が移転してきました。

約束の地」という意味をもつこの地区には、その後もマニラで住む場所を失った人々はもちろん、地方農村から仕事を求めてやってきた多くの貧しい人々が移住してきています。

ゴミの投棄場として国の認可を受ける

パヤタスが政府からゴミの廃棄物処理場として認可を受けたのは1973年のことです。
しかし当時は地域住民がゴミを投棄する程度で、投機量はそれほど多くなかったそうです。

その後1995年にマニラ中心部のトンドにあるゴミ山が閉鎖されて以降、マニラの多くのゴミがパヤタスに運ばれるようになってきて、パヤタスのゴミ山はどんどんと大きくなっていきました。
それに伴い、スカベンジャーと呼ばれる人がパヤタスに移住をしてくるようになりました。

貧困状態に置かれている人が移住してくる

つまりパヤタスは以下の2つの特徴を持った地域であるということがいえます。

パヤタスの特徴

立ち退きにあったスラム住民が移住してきた人が多い
ゴミ拾いの仕事を求めてパヤタスヘ来た人も多い

そしてこれらの人々は元々農村の貧しい地域で生まれ育った人たちがほとんどです。
貧困状態に陥っている人々がパヤタスヘ移住してきて、その貧困が子どもや孫世代まで今なお引き継がれてしまっている。
これがパヤタス地域の多くの人々が貧困に苦しめられている大きな要因の1つです。

パヤタス地域が抱える問題

パヤタス地域に暮らしている人々は日々様々な問題に直面しています。

・安定した職の不足と低賃金労働
・十分でない教育環境と高い中途退学率
・戸籍を持てていない子どもたち
・違法薬物、いじめ、差別といった悪習慣
・健康を害してしまう衛生環境

安定した職の不足と低賃金労働

パヤタスでは多くの人々が不安定な職業につき、低賃金で働いています。
最低賃金のおよそ半分ほどの収入で、平均して5人いる子供たちを養う必要があります。
病気や怪我、自然災害の影響で収入がなくなった時は借金をする人も少なくありません。

十分でない教育環境と高い中途退学率

フィリピンでは教育へのアクセスがかなり改善され、2015年時点で95%以上の子供たちが小学校へ入学できていると言われています。(2015年フィリピン教育省の統計より)

しかしパヤタスのような貧困地域では子供たちの数に対して教室や先生の数が圧倒的に足りていません。
パヤタスにある小学校では1クラスあたり60人から70人の子供がいます。
先生も一人ひとりの子供をケアする余裕を持つことができず、授業に全くついていけなくなる子供もいます。

家でも自分の部屋や学習するスペースがなく、勉強する習慣をつけることも難しいです。
徐々に学校に行き続けるモチベーションを失い、学校を辞めてしまう子供たちがいます。

戸籍を持てていない子どもたち

正確にはフィリピンに日本のような戸籍制度はなく、出生証明書が戸籍の役割を担います。
しかしパヤタスには推計で3100人の出生証明書を持っていない子供がいるとされています。

出生証明書を持っていないことで学校に行くことができず、親の仕事の手伝いでゴミ拾いやゴミの分別をしている子供たちもいます。

違法薬物、差別といった悪習慣

ドゥテルテさんが大統領になって以降減りはしましたが、違法薬物の蔓延もパヤタス地域の抱える問題の1つです。
酷暑の中ゴミ山の上でゴミを拾い続けるスカベンジャーの方たちが痛みや暑さ、空腹から逃れるために使用していたのがパヤタスでの違法薬物が広がった原因の1つと言われています。

2000年のごみ山崩落事故により、パヤタスはゴミ山の街として有名になりました。
その結果「パヤタス住民=ゴミ拾いをしている人」と言うイメージが広がってしまい、パヤタス出身と言うだけで差別を受けてしまうことがあります。

健康を害してしまう衛生環境

ゴミ山が閉鎖されて以降改善はされましたが、劣悪な衛生環境もパヤタスが抱える問題の1つです。
特にパヤタスが閉鎖されて以降、ゴミの収集場所となったジャンクショップの周辺には悪臭が立ち込め、ハエなどの害虫も多くいます。

細かなゴミやほこりが含まれた空気を吸い続けることによって呼吸器系の病気にかかる人もいますし、皮膚病を患う人も多くいます。

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