カシグラハン地域について

メトロマニラ首都圏郊外のリサール州に位置するカシグラハン。
ここは政府が用意した再定住地で、2000年にパヤタスで発生したゴミ山崩落事故の被災者の方も事故後にカシグラハンへ移住しました。
その中には当時私たちがパヤタスで支援をしていた家庭も含まれていたため、2000年からカシグラハンでも活動を開始しました。

カシグラハンの歴史について

パシグ川清掃事業による立ち退き対象者のために開発

カシグラハンは2000年に政府によって創られた、比較的新しい地域です。

1990年代、メトロマニラを流れるパシグ川の汚染は大きな社会問題でした。
河岸には不法占拠者のバラック小屋が1万軒も築かれており、ゴミや生活汚水、排泄物などは直接河川に投棄されていました。

そこでフィリピン政府はパシグ川の清掃事業を立ち上げます。
パシグ川を綺麗にするためには河岸に住んでいる人たちに移動をしてもらわなければいけません。
彼らの再定住先として創られたのが、カシグラハンという地域です。

パシグ川周辺からの移住者の他、マニラ別地域からの立ち退き対象者、そして2000年にパヤタスで発生したゴミ山崩落事故で家を失った方もカシグラハンへ移り住んできました。

カシグラハン地域が抱える問題

カシグラハン地域に暮らしている人々は日々様々な問題に直面しています。

・都市部から離れているため仕事を見つけにくい
・医療設備の不足
・自然災害に弱い

都市部から離れているため仕事を見つけにくい

パヤタスと同じようにカシグラハンでも多くの人々が不安定な職業につき、低賃金で働いています。
しかしパヤタスとの違いは2つあります。

・カシグラハンではゴミ拾い(分別)の仕事をすることができない
・カシグラハンから都市部へ仕事に通うことは困難

パヤタスでは様々な事情で職を失ったとしても、かつてはゴミ山へ行ってゴミ拾いをすれば収入を得ることができました。
ゴミ山が閉鎖された今もなお多くのゴミがパヤタス周辺のジャンクショップへと運ばれてくるため、そこへ行けばゴミ拾いや分別の仕事をすることができます。
しかしカシグラハンにはゴミ山はないため、これらの仕事をすることはできません。

またパヤタスはメトロマニラ首都圏内なので、都市部へ働きに出ることが可能です。
しかしカシグラハンからメトロマニラの都市部へ出ようとすると時間と運賃がパヤタスの倍程度かかってしまいます。
そのため地域内に仕事がないからといって、都市部へ仕事に出ることも厳しいです。

医療設備の不足

カシグラハンの人口は約45,000人ですが、地域内に医療施設は1つしかありません。
そこには常駐のドクターは1人しかいないため、病院内に不在の場合もあります。

緊急の場合は地域外の医療施設へかかる必要がありますが、時間と交通費がかかるため体調が悪くとも治療を受けられない住民の方が沢山います。

自然災害に弱い

カシグラハンは保水能力を失った山々に隣接しているということ、また地域内の下水道が十分に整備されていないことが理由で洪水被害に非常に合いやすい地域です。

こちらの写真は2009年に発生した台風「オンドイ」被災時のカシグラハンの様子です。

大雨の影響で一時水かさは屋根の高さにまで到達し、家財道具は泥まみれになってしまいました。
台風でなくとも少し強い雨が降っただけで、くるぶしあたりまで水かさが上がることはカシグラハンでは日常茶飯事です。

またカシグラハンの付近にはマリキナ断層と呼ばれる断層が走っているなど、危険な環境下に多くの貧困層向けの住宅建設が行われているという現実があります。

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